はやく俺のモノになればいいのに
誰かからメッセージでも届いたのかな。


女の子……だったりして。


そんな不安がふつふつとわいてくる。


私は、彼女でもないのに。


ほんの一瞬だったから

返事をしたようには見えなかった。


「モモ、電車?」
「いえ。バス……です」
「じゃあバス停まで送るよ」


――え?


「行こ」


さっきの、家においでっていうのは


……冗談?


や、やられた。

めちゃくちゃ浮かれてしまった。


ワクワクしてしまった。


「今日、人が来るんだった」


――?


「ごめんね。すっかり忘れてた」


なるほど。先約が。


「あーあ。せっかくモモのことお持ち帰りしようと思ったのに」


テイクアウトのお弁当みたいに言わないでください。


「喜んでもらいたかったな」
「またいつか――機会が、あれば」


私の言葉に、ユキさんの表情が曇る。


おかしなこと言った……?
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