はやく俺のモノになればいいのに
引き返す――?


「そんなの無理!」
「恋する乙女モード全開じゃーん」
「否定、でき……ない」
「本気だってなら。応援するしかないけどさ」


ポケットからリップを取り出し、鏡を見ながら唇に塗る実柑。


「ただ。ちょっと心配かな」
「……大丈夫だよ 」
「ひとつ、約束して」
「約束?」
「スキンシップ等は。ちゃーんと付き合ってからにすること」
「スキンシップ?」
「キスとか、その先とか」
「ええっ!?」
「なに驚いてんの」
「いや、だって……」


想像できなさすぎて。

というか。


「ユキさんが私相手に、そんな気起きるかな」
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