スイセン
「じゃあね。体温上がっちゃうからシャワーは朝にするんだよ?」

ベッドの上に座って、うとうとしながら頷く澪の肩をポンポンと叩いてから、彼女の自宅を後にした。

夜道を歩く途中、ふらりと壁に寄りかかる。

正直、私も飲み過ぎた。
久々に飲んだからか酔いが回るのが以前より早かったように思う。

美味しく感じたし、澪がグイグイ飲むのでつい釣られてあんなにも沢山…。

絶対に二日酔いコースだな。

澪も私もどんまい。

明日はなんにも予定入れてなくて良かった。

そう思いながらやっとこさ最寄り駅まで着いた。

電車を降りて、少し拙い足取りで改札を抜けようとした時のことだった。

隣の改札を通った男性がバランスを崩して私の方に倒れかけた。

大丈夫かな?と思って顔を覗き込むとそこには…
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