鳴り響け、復活のソナタ
・・お母さん・・・お母さん・・!
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「・・スッ・・スッ・・
絶対に金賞取るから・・!
お母さんを・・スッ・・絶対レインボーホールに連れて行くから・・!」
「・・・・キョウコ・・
・・違うよ・・?」
「・・スッ・・スッ・・え・・?」
「大切なのは・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・。」
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お母さん・・?何て言ったの・・?
お母さん・・ねぇ・・ねぇ!!
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<それでは、
栄えある金賞 受賞者を発表致します。
名前を呼ばれた1名が、第63回 クラベルジットコンクールへの出場・・
聖地 レインボーホールのステージへ進むことになります。>
<金賞・・・・・エントリーNo.4!
白石・・・>
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「お母さん!!!!」
!?
「・・・また・・夢・・・。」
体を起こすと、
そこは自分の部屋・ベッドで、
背中には嫌な汗が流れてて・・
滲んだ視界を拭いながら、
段々と覚めていく頭でようやく、
“残業のお父さんの帰りを待ってるうちにうたた寝していた”と、数十分前の記憶が蘇る。
「負け犬。」
!!?
「負け犬。」
部屋の隅に、12歳の女の子が立っている。
滲んだ視界をこすってもう一度見るけど、
冷め切った目で・・・
あの頃の私が、私の事を見てくる。
「負け犬。」
「・・やめて・・・やめてよ!!!」
枕を放り投げた所で、
そんな幻覚に当たるはずもなく、
壁にぶつかって“パサッ”と落ちた。