鳴り響け、復活のソナタ


――――――


「ただいま~。キョウコ~?」


「・・・・・・・・・・・・・。」


「ごめんな、LINEくれたのに遅くなって・・。」


「ううん。私の方こそ、仕事忙しいのに急にLINEしてごめん・・。」


「それで、“大事な話”って一体・・?」


「・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・?」


「ごめんお父さん・・。」


「・・・・・・。」


「前に、クルミちゃんと東京に行ったでしょ?」


「うん。」


「その時にね・・私・・
原宿でスカウトされた。」


「・・・・・え!!?
ス、スカウト!?」




あの日からずっと考えていた。


あの後、ゴリさんに電話をして詳細を聞いた。

詳細と言っても、ただ漠然と“イッセイがアイドルを作るから参加してみないか?”

ってざっくり言われただけだけど・・。


当然、答えは“No”だった。

そう言わなければいけなかった。
そう言うべきだった。


小学6年の時、私は死んだ。
空っぽのまま今日まで生きてきた。


お父さん以外、誰にも悟らせずに、
誰もこの心に踏み込ませないように、


ずっと空っぽのまま生きてきた。


でも・・・

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