鳴り響け、復活のソナタ
「河内先生が作った曲、
あれはまるで【合唱曲】だな。
初めて聞いた時、微かな記憶でホントに音楽の授業を思い出した。」
「それに詞を付けるのが・・
ウハハ、あのジジイ何て名前だった?」
「後藤先生。見た目通り言葉のチョイスもサビのフレーズも【古臭くて】面白かっぞ。」
「ウハハ、この国に溢れる老いぼれ共を“老害”と見切るのは簡単だ。
だが、“恋”だの“片想い”だの“告白”だの“キス”だの“手を繋ぐ”だの、
他のアイドルと似通ったもん歌った所で、
アイツらには勝てねぇ。
俺が作るアイドルは“逆”で勝負するぜぃ?」
「・・・・楽しみだな。
あの楽曲に、島野先生が振り付けた、
【ラジオ体操】みたいなダンス。
・・低評価が埋め尽くすか、
高評価がうなぎ登りになるか・・。」
「ウハハ!ゴリよ、
最初にして最大の勝負だ。
10代・20代の連中が“斬新”と感じ、
30代・40代の連中が“どこか懐かしい”と感じれば俺達の勝ちだぜぃ?
堂々と他のアイドル連中に宣戦布告しようじゃねぇか。」
“イッセイ”というネームバリューの後押し・・だけではない。
寄せ集めが起こしたビギナーズラックでもない。
かと言って、
まだこの段階では彼女達の努力でもない。
“急上昇動画”で1位を取り、
その後も、ここ数年で一番の再生数を稼いだ彼女達のデビュー曲[盆栽鋭くなって]は、
鬼才が鬼才たる所以の、
“直感”がド的中したからだ。
第7章 完