鳴り響け、復活のソナタ
「ゴホッゴホッ!
君はどう思いましたか?」
「・・・豊川さんに言われるまで・・
気付きませんでした。」
「あの坊主君、
【逆張り】ばっかりしてきましたね。
服装等の外見の特徴は曖昧な答えしかしなかったくせに、
“太っていたか?”と聞くと、
“痩せていた”と答えて、
“香りはしたか?”と聞くと、
“無臭”と答えて。」
「豊川さんがスマホで指示してくれた、
“長髪だったか?”と質問をぶつけると
“短髪だった”と答えました・・。」
途中で豊川さんが見せてきたスマホ。
“髪型を聞いてください。但し、長髪だと決め込んだ形で質問をお願いします”
坊主君に悟られないよう、咄嗟に豊川さんが僕に対して出した指示だった。
「彼の証言を素直に受け止めれば、
やはり犯人は年配男性で、茶髪君が嘘をついていると判断したくなります。
ただ、見方によっては【墓穴を掘らずに無難な受け答え】をしながら、
“年配男性”という印象のみ、
私達へ刷り込ませようとしているのではないかと疑ってしまいます。」
「・・・という事は、
嘘をついているのは坊主君・・?」
「結論を出すのは少し待ちましょう。
茶髪君の再取り調べが終わってから考え直します。」