鳴り響け、復活のソナタ


「・・・・キョウコ。」


「・・・・・・・・・。」


「久し振りにこうして時間作れたから、
父親らしい事言ってもいい?」


「うん・・・。」


「今までは、視界にすら入れなかったじゃないか?」


「・・・・・・・・・・・・。」


「家にある・・
お母さんと一緒に使ってたピアノ。

今は何重にもカバーを掛けて、
すっかり俺の小物置き場になって。

葛藤する事すらしなかったじゃないか?」


「・・・・・・・・・・・・。」


「本当にどうでもいいと思ってるなら、
そんな風に悩んだりしない。

心の底から嫌いになってるなら、
そんな事でクヨクヨしない。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「あとはキッカケだけだと思うよ?
だから大丈夫。

今は劣勢に立たされてる・・キョウコの“ピアノに対する情熱”が爆発する時、

その壁は絶対に乗り越えられる。

こうして少しずつ前に踏み出せたんだから、お母さんもきっと空の上で待ってるよ。

キョウコの・・
【復活のソナタ】が聴ける日を。」




大人になったんだから、
いつまでも泣いていられない。


涙は今日で終わりにしよう。


お母さんが眠る前、
お父さんに肩を抱かれながら、

明日からも引き続き、fi☆veの一員として今出来る事を頑張ると誓った。



















 




 




 



 






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