鳴り響け、復活のソナタ


「ウハハ、いつまで悲劇のヒロインを気取ってるつもりだ?

お前が悲劇に浸ってようが、
仮面を被って喜劇を演じようが、

お前の事なんざどうでもいいほど世界は回る。


黒電話を使っていた連中が、
携帯電話を使うようになり、

フィルムカメラを使っていた連中が、
デジタルカメラを使うようになり、

そうやって世界が回るうち、

この世に生まれた“本物の天才”が、スマートフォンを作ってこの世界をひっくり返した。」


「・・・・・・・・・。」


「ウハハ、それと同じだぜぃ?

お前が逃げ出した世界で、
白石カンナが天下を取り、

“黄色い猿”とヨーロッパの連中に見下されていた日本人の評価は変わった。」


「・・・・・・・・・・・・・。」


「あの女が、その筋の連中からなんて呼ばれてるか知ってるか?」


「・・努力の天才・・・・。」


「ウハハ、じゃああの女が、世界からなんて評価されてるか知ってるか?」


「・・・・・・・・・・・。」


「“dictator on the platform”

ウハハ、ちょっと待て。さっき見た海外の批評サイトに載ってただけだから覚えてねぇ。」


「・・・・・・・。」

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