鳴り響け、復活のソナタ
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“コンコン”
「三井さ~ん。そろそろスタンバイお願いしまーす!」
「はい。」
フゥっと息をついて、最後に鏡を見る。
大丈夫。大丈夫。
プレッシャーが無いことなんてない。
緊張が無いことなんてない。
「・・・・・・・・・・・・・・。」
手の震えが・・無いことなんてない。
大丈夫・・・・・・大丈夫。
私には応援してくれるみんなの声がある。
空っぽじゃない心がある。
手の震えだってきっと止まる・・!
控え室を出て、
係の人の後ろに続いてステージまで進・・
『キョウコ。』
・・・・・・・・・・・?
「三井さん?三井さん!
ハリーアップです!」
「・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・。」
「三井さん!!」
「あ・・はい。ごめんなさい・・。」
係の人に促され、
他に誰もいない廊下を進む。
・・・気のせいかな・・。
『楽しまなきゃ損だよ?』
お母さんの声が聞こえた気がした・・
と同時に、
手の震えはいつの間にか治まっていた。