鳴り響け、復活のソナタ
学校で会う事はほとんど無かった。
本当に出席日数ギリギリをキープしていたようで、
卒業までの間にイッセイと言葉を交わしたのは数十回程度。
卒業式の日、
みんなが記念写真に躍起になる中、
この時もイッセイは一人、カップ焼きそばをズルズルと食べながら、
誰と写真を撮る事も無く校門を出ていった。
「ゴリ~!写真撮ろうぜ!」
「ゴリ君、一緒に写真撮ろー!」
「ゴリが作ってくれた卒業記念ビデオ、ホント最高だよ!」
「・・・・・・・・・・・。」
「「「「ゴリ?
どうしたんだよ?」」」」
「・・・・待ってるよ・・
・・・イッセイ・・・。」
卒業までの間に言葉を交わしたのは数十回程度。
だけど俺はソースの残り香を仰ぎながら、
確かにこの言葉を呟いた。
一緒に写真に映る他の同級生の・・
今まで出会った誰よりも、
俺の事を見た目で判断せず、
俺に対して心の底から“尊敬”の眼差しを向けてくれた・・
俺の趣味・好きな事を誰よりも理解してくれた男の後ろ姿を眺めながら・・・。
第1章 完