鳴り響け、復活のソナタ


「だがまだだ。
まだ勝負に出る時じゃねぇ。

携帯電話だけで、
この世界の“革命”が終わると思うか?」


「どういう事だ?」


「ウハハハ!

ドラえもんに頼んで、
タイムマシン使って、

黒電話を使ってた時代の連中に会いに行ってみるか?」


「・・・??」


「奴らは絶対に信じないだろうな。電話をポケットに入れて持ち歩くなんて。」


「・・・・・・・・・・。」



「ゴリよ。俺と博打に出ようぜぃ?

カメラはデジタルになったんだ。
電話はポケットに入るようになったんだ。

俺の読みでは必ず・・【パソコンをポケットに入れて持ち歩く時代】が訪れる。」



「!!!!?」


「ウハハハ!

お前も黒電話を使ってた時代の連中みたいに、“そんなはずは無い”とあざ笑うか?」






“あり得ない”

この時の俺は、
喉までこの言葉が出掛かっていた。


小さい頃からワープロを触り、学生時代はそのほとんどをパソコン室で過ごした。


だからこそ、あの文明の利器がどれだけ複雑に、

緻密に作り上げられているかは誰よりも知っている。


・・・ノートPCが限界だ。

90年代終わりにかけて、確かに携帯電話だけでなくノートPCも普及した。

だがあれ以上のサイズダウンは絶対に無理だ。


ただえさえ、電源がすぐに切れる・容量が少ない・重量が軽くないと問題は山積みで、

性能だってデスクトップを遥かに下回るのに・・。


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