鳴り響け、復活のソナタ
「本当に・・それを作る天才が現れるのか?」
「もう1度言うが、俺達がそれを作って天下を取る事は絶対に無理だ。
そんな勝ち目のない勝負はしねぇ。」
「・・・・・・・・・・。」
「ゴリよ、華の20代は捨てる覚悟をしておけ。
10年・・いや20年掛かるかもな。
だが、必ず俺達が待ち望む時代は来る。
世界はひっくり返る。」
「だからひっくり返った後で・・
・・天下を取る・・。」
“あり得ない”
この言葉が喉まで出掛かったのに、
最終的に飲み込んだのは、
イッセイの目が本気だったからだろうか。
4年経って更に増した、そのカリスマ性に惹き込まれていったからだろうか。
それとも・・心のどこかで、俺にも根拠の無い自信があったからだろうか。
気がつけば、袴や晴れ着姿でワイワイと記念撮影をしている同級生達を尻目に、
もう微塵も興味が無くなったキャンパスを背に、イッセイと肩を並べて歩き出した。