鳴り響け、復活のソナタ


『And, we are calling it 【iPhone】.

Today, Apple is going to reinvent the phone.』





「・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・・・。」


ジョブズが最後に全世界へ放った言葉。
もう通訳はいらなかった。


雑居ビルの小さな部屋に構える、
たった2人だけのオフィス。


「・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・。」


この時のイッセイはモニターの前から立ち上がると約3分間、

黙って何も無い壁を見つめていた。



「・・・・ゴリよ・・・・・。」


「あぁ・・。」



今だからこうやってあの時の興奮を冷静に振り返られるが、

当時の俺もイッセイと同じ精神状態だった。



滅多に感情を爆発させない俺達が雄叫びを上げた。


滅多にボディタッチやランゲージをしないイッセイと、激しいハイタッチを交わした。



“ついに来た”


右肩下がりだったグラフが、
“V”の動きを始めた瞬間。

鬼才イッセイが天下を取るまでの軌跡、
その第一歩だった。



















< 47 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop