鳴り響け、復活のソナタ
――――――
「第一発見者はここの工事を請け負ってる建設業者社員。
朝来たらあそこで倒れてたんだとよ。
昨日作業を終えた時には確かに居なかったから、
昨夜から今朝にかけてここで何かが起きたって所だろうな。
あと、社員達に話を聞く限り2人とも知らない顔だそうだ。
・・こんな所に不法侵入か?」
現場となったビル建設中の現場へ着くと、
一足先に乗り込んでいた関本主任が概要を教えてくれた。
そのまま豊川さんと2人で死体の元へ・・そこで鑑識作業を続ける長くんの元へと向かう。
「長くん、おはよう。」
「うぃーーっす。
お!ヨシト君だけじゃなくてテツさんも。珍しく早いご到着っすね!」
「君は・・相変わらず朝から楽しそうですね・・。」
豊川さんの背後に、
常に“ドヨ~~ン”と影が出ているとしたら、
長くんの背後は、
常に“キラ~~ン”と光が当たっている。
僕よりも若い年齢ながら、セイズ署刑事課の鑑識班を率いる“長くん”こと、長野君。
今日も鑑識帽を逆に被って、
まるで“クラブの帰りにそのまま来ました”と言わんばかりに、
小刻みにビートを刻みながら作業を進めている。