鳴り響け、復活のソナタ
「さてと・・では拝見。」
豊川さんに続いて合掌した後、
長くんの邪魔にならないよう、
僕達も被害者のお顔を覗き込んだ。
「随分と若いですね・・。」
「はい。大学生ぐらいでしょうか・・?」
“若い男性2人”とは聞いていたものの、
僕も豊川さんもまずこの言葉が出た。
視線の先で生気が無くなって横たわる2つの遺体。
1人は茶髪でメガネ。
もう1人は坊主頭にメガネ。
総じて言えるのは、僕や長くんよりもずっと若そうな子達だった。
「あ~星野くん。」
「あ、はい。」
「名前が混同しないように、
呼び方を決めましょうか。」
「え・・・。」
「こっちが茶髪君。こっちが坊主君。」
相変わらず・・
被害者に対して慈悲が無い・・・。
この子達にも名前がちゃんとあって、
当然まだまだ長い人生生きたかったはずなのに・・。
「良いですか?」
「渋々了解しました。」