鳴り響け、復活のソナタ


「まだ動画のストックは残ってるから良いが、もう辞めるか?」


「ウハハ。それも良いな。

もう俺達は死ぬまで何もしなくても暮らしていけるぜぃ?」


「・・さっきから何を観てるんだ?」


100万円以上するソファで、

無造作にカップ焼きそばを放りながら仰向けに寝っ転がっているイッセイに近づくと、

ノートPC上でYouTubeを開いているようだった。


「音も出さずに観てるのか・・?」


「ウハハ。こいつらの声は聞き飽きた。」


モニターの中で、AKBの子達やエキストラの人達が踊っている。

どうやら、恋するフォーチュンクッキーのMVを音無しで観ているらしい。



「コイツらも秋葉原の小せぇ劇場から、アイドル界の天下まで登り詰めたんだな。」


「・・・珍しいなイッセイ。
お前が他人を讃えるとは。」


「・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・・・。」


無造作に放っていたカップ焼きそばを再び手に取ったイッセイが、ズルズルを再開する。


何か・・新しいことを企んでいるようだな・・。


初めて俺達が言葉を交わした高校のパソコン室の時もそうだったが、

イッセイがその手に取ったカップ焼きそばを、最後まで食べきらずに中断している時は、

鬼才を発揮する時だ。


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