鳴り響け、復活のソナタ
イッセイから託された“採用条件”。
この男は・・・相変わらずだな・・。
「ウハハ。別に証拠が無くてもいい。
本人の自己申告とやる気で採用しろ。」
「・・・声掛け事案として警察沙汰になったらすぐに助けに来いよ。」
「ウハハ、100人の弁護士軍団を連れて迎えに行ってやるぜぃ?」
今や、仮にイッセイが「納豆ダイエットの効果ヤバすぎた」なんて動画を出したら、
翌日にはスーパーから納豆が消えるほどの影響力をこの男は持っている。
俺達の視聴者900万人。
もしアイドルを作って、
それをイッセイが宣伝すれば・・
確かに、芸能界のアイドル達と良い勝負が出来るかもしれない。
だったら余計に・・
人選は本人がするべきだと思うが・・
だけどこれまでもそうだった。
イッセイは無駄な事はしない。
無理な事もしない。
だけど絶対に最後に勝つ。
決して負けない。
負けると分かっていたらそもそも勝負に出ない。
じっと耐え、じっと待ち、
そして最後に勝つ。
俺を送り込むのも、何かあいつなりの勝算があるのかもしれない。
「原宿か・・・。」
普段絶対に行かない場所ランキング、
断トツ1位のあの街へとタクシーを拾った。
第4章 完