鳴り響け、復活のソナタ


警察官の人達にもお礼とお詫びをして、
財布が戻ってくる。


クルミちゃんはもう私の財布なんかより、

目の前のイッセイに、
目が♡になってる様子だけど・・。



「ウハハ、お嬢さん達、
名前を教えてくれるかぃ?」


「クルミです!!」
「三井です・・・。」


「クルミ、彼氏はいるか?」


「あ、はい!

同じ学校に通ってるんですけど、高校卒業したら遠距離になりそうなんですよ~!」




「ウハハそうか。
そっちのお嬢さんは?」


「えっと・・いません・・。」


「どれぐらいいない?」


「えっと・・・・
彼氏出来たこと無いです・・。」


「・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・。」







交番を出ると、その前に待っていた野次馬の皆さんが一斉に、

イッセイを取り囲んで、
“写真撮って!”とスマホを撮りだした。


「ウハハ。それより諸君、
あれはなんだ?」


「「「「・・????」」」」」


「福沢諭吉が舞ってるぜぃ?」



イッセイが指を差した方向に、
皆の視線が向く・・と同時に、

イッセイがそこへ・・
札束を放り投げた・・!?


「早い者勝ちだぞ諸君!!」



イッセイの周りにいた人達が瞬く間にお札を掴もうと走り出す。

・・もれなくクルミちゃんも・・。


警察官の人達も、この混乱を鎮めようとまた交番の中から一斉に出てきた。


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