セジョウ
「どんなに重い方が好きって言ってもさ
所詮それは、自分の予想していた愛と違ければ簡単になかったことにされる戯言なんだ。
ほんと虫唾が走るよ。自分の発言を棚に上げて去っていく子たちも、愛する人のために気持ちを律することができない自分にも」
どうしたらいいのか分からない。
そんなふうに紡がれる言葉たち。
上月くんの表情には
僅かな憎しみが込められていた。
「だから…
これで最後にしようと思うんだ」
「最後?」
「うん。愛を注ぎたいって伝える相手」
ねっとりとした艶っぽい視線に、わたしの
見ている世界はあっさりと絡めとられる。