セジョウ




「高校の入学式で大沢さんを初めて見た時、天使かと思ったんだ。優しそうなのに芯がある感じがしてさ。目が離せなかった」



天使って…

なんとも歯が浮くことを言われ
こっちまで照れてしまう。



「それから3年までずっと同じクラスになれて。嬉しくて仕方なかったよ」


「そっか…」



本当に嬉しそうに笑う上月くんは見たこと
ないくらい無邪気でなんだか可愛い。




「俺ってほんと弱虫で臆病だからさ…。
大沢さんの情報とかいろいろ知ってても、
告白とまでは中々いけなかったんだ」


「え?待って、情報って…」


「大沢さんの誕生日とか血液型とか。
一応住所も知ってるよ。あ、でも安心してね。つけたりはしてないから」


平然と言う上月くん。

な、なるほどなぁ…



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