セジョウ
覚悟はしてたけど、やっぱり異常さが
会話の中でチラチラとうかがえる。
これが…もっとすごくなるのかな。
胸の奥で、一抹の不安がよぎった。
わたしに何ができるか分からないけど…
どうか、上月くんの狂気の根源が
優しく消えていきますように。
どこか危うい彼に向けて、切に願った。
そして人の少ない駅にたどり着く。
「上月くん送ってくれてありがとう。
また明日ね」
「………大沢さん」
少し強めに腕を引かれ
ふってきた口づけに目を閉じた。
そのまま流れるように唇が首筋を伝い
ちくりと甘い痛みを刻まれる。
「んっ……」
「大沢さんは…俺の、だからね。
誰にもあげない」