プリンセスストロベリーの憂鬱
「気にすんな。お前が楽しそうだったから良い」

「ありがとう」


そう言うと少しだけ強く手を握られた。


「にしてもあそこまで熱心に教えてくれるとは思わなかったな」

「坂田さんは本物のパティシエよ」

「は?」

「本物の職人は自分の技を隠したりしないんだって。
例え真似されても同じ物にたどり着けないくらい極めているものだからって」


今、父親が働いている和菓子屋の職人が教えてくれたと言う。
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