プリンセスストロベリーの憂鬱
「智和くん」


何度もねだられるので、オレはバックから飴を取り出して口の中に入れた。


そして期待で目を輝かせている夏惠の赤い唇に口づけた。


柔らかい唇。

少し開いた唇の隙間に飴玉を押し込んだ。


「苺味」


夏惠は嬉しそうに舐めはじめた。


「智和くん」


名前を呼ばれた直後に、膝の上の夏惠に突然、キスをされた。

押し付けるだけのキスだったが、夏惠の顔は真っ赤になっていた。
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