プリンセスストロベリーの憂鬱
「こんばんわ。○○高校の朝霧と申します」


店の方からではなく玄関の方から挨拶するが、誰も出てこない。


もう一度、声をかけると従姉が出て来た。

どこか焦っているようだ。

「智和くん、ナツメが、夏恵がいないの」

「は?」

「家の中を探してもどこにもいないの?」


従姉は今にも泣き出しそうな顔をしている。


「バイトではないんですか?ケーキ屋に連絡は?」

「今日はお休みなの。学校からは帰って来たのに、食事を部屋に運んだらいなくて」

「夏恵、鷹司は家族と食事をしないんですか?」
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