プリンセスストロベリーの憂鬱
彼女がいないと言うより、彼女が部屋で食事をしているということが気になった。


「お祖父様のご命令で…。あの子もそれが良いって」

従姉の目から涙が零れた。

従姉だって本当なら家族で食事をしたいはずだと思う。

障害は家族の中にいるのが辛いのだろう。


「お母さん、夏恵は何処に行ったの?」


奥から小さな男の子が出て来た。

夏恵の弟だろう。


「お部屋に行ってなさい。琴弥(ことや)」


従姉は涙を拭って息子に言うが、琴弥は聞き分けなく母親の服の裾を引いた。
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