プリンセスストロベリーの憂鬱
「オレも探して来ます。バイト先の住所教えてください」


従姉はすぐに住所と電話番号を教えてくれた。


「何を騒いでいる」

「あっ!おじいちゃん」


琴弥が走った先には、着物を着て、髭を蓄えた老人が出て来た。

結婚式の時に見たかもしれないが、記憶は曖昧で思い出せない。

あれが夏恵の曾祖父だ。

すぐに分かった。


「お邪魔してます。鷹司夏恵さんの担任の朝霧ともうします」

「朝霧というと。美咲さんの」

「私の従弟に当たります」
< 83 / 187 >

この作品をシェア

pagetop