プリンセスストロベリーの憂鬱
従姉はよろしくお願いしますと何度も言われた。


「今日は泊まって良いから。ゆっくり休め」


ベッドの中の夏恵に声をかけると


「ありがとう」


と小さい声が帰って来た。

「ここにたどり着くまで凄く歩いた。10年前の記憶なんてあやふやだから、怖かった」

「そうか」


夏恵はぽつぽつと話し始めた。


「ここに着いて記憶がはっきりと思い出したけど、智和くんいなくて心細かった」
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