Alice in nightmare World
そこは薄暗い。決して広くはない。夢の中だからだろうか生活感のあるはずの部屋だが、まったく人気がない。もちろん誰もいない。

「懐かしいな」

「ここで暮らしていたの?」

「ああ、そうだよ」

「そう」

「あんまりいい思い出は無いけどね」

俯いたマッドハッターはため息をついた。

「ここでしたい事はまだある?」

「そんなに急かさないでくれ、もう少しゆっくりしたい」

「ごめんなさい、でも私も行かないといけないから」

< 18 / 28 >

この作品をシェア

pagetop