Alice in nightmare World
「そうだね、だけどもう少しまって欲しい」

「うん、分かった」

マッドハッターは奥の部屋に入っていき何か物色していた。私はリビングの椅子に腰をかけた。少しゆっくりする事にした。

奥からポットとカップをトレーに乗せてマッドハッターが出て来た。

「どうぞ」

カップに紅茶をそそぎ入れる。いい香りだ。有難く頂くことにした。

「ありがとう」

飲むにはまだ少し熱かったが味は美味しかった。鼻の中を紅茶の香りが通り抜けた。とても落ち着く香りだ。

マッドハッターは部屋を子供が初めてオモチャをもらった時のように真剣にそして好奇心の塊のよう見渡していた。

楽しそうにそしてどこか儚げにずっとずっと見渡していた。
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