幻惑
甘い会話は、だんだん二人を熱くする。
 
「大きいベッド、買わないとね。」

翼の指が胸を包む。
 
「小さくても、いいよ。近くで眠れるでしょう。」

甘くなる私の声に
 
「眠る時だけじゃないでしょう。ベッドが必要なのは。」

と翼は耳元で囁くと、そのまま私を抱いてお湯を出た。
 

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