幻惑
「あのね。私、翼君と一緒に居られて。入籍とか、別にどうでもいいと思っているよ。ただね。私以外の人が翼君の奥さんっていうことが、嫌なの。」
私は、翼の目を見て言う。
たとえ書類一枚のことでも、法的に守られるのは奥さんだから。
どんなに私達が愛し合っていても。私には、何の権利もない。
「ごめんね。もう少し、待ってね。」
翼はそう言って、私の頭を撫でる。
そっと翼の肩に凭れる私を、翼は抱き上げる。
そのままベッドに下されて、愛される。
初めて、私の心に何かが刺さった。
こんな風に、誤魔化すように抱かれるのは嫌だと。
一瞬の胸の痛みは、熱い翼に消されて。
すぐに忘れてしまう。
甘い歓びに包まれると、小さな違和感なんて、どうでもいいと思えてしまうけれど。
私は、翼の目を見て言う。
たとえ書類一枚のことでも、法的に守られるのは奥さんだから。
どんなに私達が愛し合っていても。私には、何の権利もない。
「ごめんね。もう少し、待ってね。」
翼はそう言って、私の頭を撫でる。
そっと翼の肩に凭れる私を、翼は抱き上げる。
そのままベッドに下されて、愛される。
初めて、私の心に何かが刺さった。
こんな風に、誤魔化すように抱かれるのは嫌だと。
一瞬の胸の痛みは、熱い翼に消されて。
すぐに忘れてしまう。
甘い歓びに包まれると、小さな違和感なんて、どうでもいいと思えてしまうけれど。