幻惑
聡美の車で、家に送られて。

インターフォンを鳴らすと、母が飛び出してきた。
 
「ママ。ごめんなさい。」

と言って、泣きながら 母に抱き付く私。
 
「結花里。」

と母も涙を流していた。
 
「聡美ちゃん、本当にありがとう。さあ、上がって。」

少し声を詰まらせて母は言う。
 

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