幻惑
22
私は、少しずつ元気になっていった。

母と一緒に、買い物にも出るようになった。

母は私に、新しい洋服をたくさん買う。
 
「そんなにいらないわよ、ママ。着ていく所もないし。」

行きつけのブティックで、次々と私に試着させる母。

私が苦笑して言うと、
 
「娘を着飾らせることは、母親の楽しみなの。結花里もママになれば、わかるわ。」

と母は言って、取り合わない。
 


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