幻惑
「待たせたね。」

と言う翼の、照れた笑顔を見た時、私は

『わぁーん。』と声を上げて、翼の胸に飛び込んだ。

子供のように、声を上げて泣きじゃくる私。

翼は、少し控え目に抱き締めた。
 


< 217 / 263 >

この作品をシェア

pagetop