幻惑
翼に会っても、もう以前のように愛せないのではないかと、不安だったけれど。

顔を見た途端に、愛しさが込み上げて。

そんな心配は不要だったと、私は知る。
 
「翼君、どうして?」

暫く、翼の胸で泣いた私。

少し落ち着くと、何故 翼がここにいるのか不思議に思った。
 
「結花里、上がってもいい?」

翼に促されて、私達はリビングに入る。
 


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