幻惑
昨夜、突然泊まることになった翼。

当然、準備していなかったけれど。

一カ月ぶりの私達は、抑えることができなかった。
 
「その時は、結花里がママになるだけでしょう。お義父さんとお義母さん、喜ぶよ。」

と私を抱き寄せる翼。
 
「えー。まだ翼君と二人でいたい。」

甘えて言う私に、
 
「一応、気をつけたけど。あとは神様次第だよ。」

と翼は笑う。
 
つられて私も笑ってしまうような、幸せそうな翼の笑顔。


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