幻惑
「何飲む?」と翼に聞かれて
 
「ミモザ。」と私が答えると、翼はクスクス笑う。
 
「だって。それしか飲めないんだもの。」

と私は膨れた顔をした。
 
「それなのに、飲みに来る結花里ちゃんが可愛いよ。」

と翼は言った。

私は照れて顔が赤くなってしまう。
 
「あれ。まだ飲んでないのに。顔赤いよ。」

翼は優しい目で私を見て、少し笑った。
 
「意地悪ね。」私はそう言って俯く。
 


< 24 / 263 >

この作品をシェア

pagetop