幻惑
帰りに、私達はマンションに寄った。

翼の着替えや、私の置いたままの荷物を 少し持ち帰りたくて。
 
「ここが二人の城だったのね。」

初めて、私達の部屋を見た母は、そう言ってため息をついた。


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