幻惑
フーっと息を吐いて、続きを話した。
 

「俺、本当に どうしていいかわからなくて。誰に相談していいか。いくら考えても、結花里のパパしか思いつかなくて。今、思うと すごく非常識だよね。俺、本当に必死だったんだ。」


そう言って、翼は笑った。
 

「病院に電話して。お義父さんに繋いでもらって。どうしても会いたいって言って。その夜、院長室に行ったんだ。」

初めて聞く話しに、私は静かに耳を傾けた。


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