幻惑
「今まで言わなくてごめんね。それに今更言ってごめんね。」

翼の言葉に、私の胸は、またキュッと縮む。

曖昧な笑顔で首を傾げて。
 
「担当の美容師さんとお客さんだから。別にいいんじゃない。」

と私は言った。精一杯の強がり。

 
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