幻惑
このまま翼と一つになりたいと、私は思っていたけれど。

暫くすると翼は、いつもの運動公園まで車を走らせた。
 
「結花里。ごめんね。離婚するまでは、友達のはずだったのに。」

翼は、私の方を向いて言う。私は翼の肩に寄りかかり
 
「いいの。私も翼君を好きになったから。」

と私は言う。翼は私の髪を撫でながら
 
「俺、今日、結花里にシャンプーしている時、ヤバかった。」と言った。
 
「翼君のせいだよ。」私が小さく言うと
 
「結花里も?」と翼は聞く。

私は頷いてしまう。
 
「わかっていたくせに。」

と責める目を向けて。甘く答える私。
 
「結花里。可愛くて、可愛くて。俺、変になりそう。」

翼はそう言うと、もう一度、熱くキスをした。
 


< 57 / 263 >

この作品をシェア

pagetop