幻惑
若い体の、限界まで堪えた二人は、狂うような歓びに包まれる。

今までの経験が別物だと思うほど。

痺れるような歓びは、私達をもっと強く結びつけてしまう。
 

「私。どうかしたみたい。」

気を失うような歓びの後、ぼんやりと言う私。

翼は、私を抱き寄せて
 
「俺も。こんなの初めて。変になりそう。」と答えた。
 
そのまま、愛と微睡みを繰り返す。

重ねるほどに強くなる歓びは、私達を捉えて離さない。


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