幻惑
翼が奥さんに話してから、私達は堂々と外を歩いた。

私は毎日、翼の仕事が終わるのを待ち、一緒に食事をした。

肩を抱かれて街を歩き、手を繋いで店に入る。
 
抑えていた時間を、取り戻すように。

人目も憚らずに、イチャイチャした。

羞恥心も忘れるほど。二人の時間に夢中だった。
 


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