白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
「私の名前は……
百目 桃華 (ひゃくめ ももか)」
「ん?」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「お……おい。
まさかだよな?」
「お前の兄って……」
「元総長の龍牙(りゅうが)」
「ってことは、
初代総長の鷹矢(たかや)さんが……」
「お父さんだけど」
「マジか……」
「十環(とわ)の奴、大丈夫か?」
「あいつ、龍牙さんの
一番のお気に入りだったもんな。
「まさか餌食となって
妹の彼女にさせられたとか?」
「こえ~!
マジでこえ~!」
「お前らさ、その辺にしとけよ。
桃華はお前らが思ってるほど
心臓強くねえんだから」
「もしかして……不治の病?」
「そんなわけねえだろ?
桃華見てみろよ。
俺らにビビらねえくらい
頑固な心臓持ってるだろ?
でも泣くと、かわいいんだよな。
桃華は」
「私、泣いてもかわいくないし。
って言うか、泣くとかムリだから」
「ふ~ん」
俺は知ってるんだけどなって
ニヤケ顔で私を見たハムハム。