白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集

TODOMEKIの姫?


 ここは……
 TODOMEKIの倉庫の中だよね?


 フカフカなソファの上で目を覚ますと
 耳を塞ぎたくなるような高い声が
 倉庫内に響いた。


「桃華さんが、起きたっすよ!」


 それが合図だったらしく
 ぞろぞろと私の周りに集まってきた
 男9人。


 最後にゆったりと歩いてきたハムハムが
 私に声をかけた。


「やっと、起きたか」


「桃華さん、今、夕方の4時っすよ」


「まさか、ここまで爆睡するとはな」


 はっ!!


 こんな男だらけの中
 私は無防備に寝てたんだ。


 身の危険を感じ
 勢いよく体を起こした。


「私に変なこと……してないよね?」


「大丈夫だって。
 お前に手を出すなんて度胸がある奴
 このTODOMEKIにはいないからな」


 ハムハムの言葉に
 みんな『うんうん』と頷いている。


 とりあえず
 信じてもよさそうだ。
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