白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
「もう、もらったお菓子、全部返す!」
「え?」
「だって、もらっちゃったら
『姫』ってのをやらされそうだし」
「ひ~め~!
やってくれよ!」
「俺らが姫のこと
全力で守ってやるから」
「あ~! もう!!
姫、姫、うるせー!!!」
私が真剣に怒鳴ったのに
みんなはケラケラ笑っている。
その時、一人真顔のハムハムが
芯のある太い声を発した。
「お前が
TODOMEKIの姫になるのが嫌なら
俺の女になるか?」
ん?
んん?
「はぁぁぁぁぁ???」
今、ハムハムの女になるかって
聞かれたよね?
「総長、ちょっと待ってくださいよ。
俺も、立候補したいし」
青葉くん。
あなたはそんなに
私に守って欲しいわけ?
「俺も正直、桃姫(ももひめ)のことは
タイプなんすよ」
さっきから言葉が軽い祥吾くん。
私のことを、桃姫って……
あなたを選ぶことは
世界に私と祥吾くん
2人しかいなくてもありえないから。