白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
「だって十環先輩だけ……
特別だから……」
「え?」
「十環先輩が隣にいてくれるだけで……
その……ドキドキしちゃって……
ヤンキーな自分が……
出てきてくれないから……」
私、なんて恥ずかしいことを
口走っちゃったんだろう。
あまりに恥ずかしくて
十環先輩の顔が見られない。
その時、十環先輩が
ソファから立ち上がり
ベッドサイドに腰かけている
私のところまで来た。
そして、私の隣に腰かけると
横から私のことを
優しく包み込んでくれた。
「本当に思ってくれてる?
俺のこと、特別だって」
「……うん」
「じゃあさ、俺がこんなことをしても
許してくれるよね?」
「え?」