白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集

 いきなり十環先輩が、
 両手で私の肩を勢いよく押した。

 
 私の体が後ろに倒れ
 ベッドの上で仰向け状態に。


「十環先輩
 いきなりなんですか?」


 十環先輩はベッドサイドに座ったまま
 私の顔の横に左手をついた。


 ちょ……ちょっと。

 十環先輩の顔……近すぎだから!!


 真上から十環先輩に見つめられていて
 この状態が恥ずかしい。


「桃ちゃん。
 俺のこと、嫌いにならないでね」


「え?」


 十環先輩の甘い声が耳に届いて。


 優しく私だけを見つめる瞳が
 ゆっくりと近づいてきて。


 抵抗なんてしたくないと
 素直に思えた時には、
 大好きな人のぬくもりが
 私の唇から伝わって来た。

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