白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集

「桃ちゃん
 せっかく虎くんが貸してくれたんだし
 ちょっとだけ着てみて」


「嫌です」


「お願い。
 桃ちゃんに絶対、似合うから」


「だから、嫌だって言ってるでしょ」


 その時


「桃、大丈夫か?」


 その声とともに
 勢いよくドアを開けたのは、龍兄。


「ちょ……ちょっと龍兄。
 いきなり入ってこないでよ」


「だって
 桃の困ってる声が聞こえたからさ。

 って、何やってんだ、お前ら。
 ナース服なんか持って」


 そっか。


 こういう時は、
 龍兄を味方につければいいんだ。

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